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キシリトール配合ガムで菌数抑制

- 2017年8月号 -

近年、東日本大震災や熊本地震など大規模な自然災害が多発しているように感じます。

 

そのような事態では、とりあえず食べるものや寝るところを確保することが重要なため、口腔内までなかなか気にしていられないというのは当然だと思います。

一方で、口腔内環境の悪化は虫歯や歯周病だけではなく、誤嚥性肺炎の発症につながりやすいため、何らかの対策とも考えられていました。

 

そんな中、九州大学歯学部とロッテの共同研究により、キシリトールガムの有効性が提示されました。

 

口腔内清掃が困難な野外研修中の陸上自衛隊員を対象に、キシリトール配合ガムをかむことが口腔内環境の悪化を軽減できるか調査したところ、非摂取群に比べ優位に菌数が抑えられたことが判明したそうです。

 

時々、このような時は「洗口(うがい)を推奨するべき」という先生もいます。

しかし災害時の歯ブラシどころか水すら不足する状態では、水は飲料水に回すべきだと思います。

仮に水を使わず原液で使えるものを使用するとしても、それだけかさばって重たいものを運搬するなら、もっと必要なものが他にあるのでは?と感じます。

 

ガムにより唾液の分泌を増加させ、唾液およびキシリトールの作用で口腔内環境を少しでも改善させるという方法は、災害など緊急時には非常に有効な手段だと思います。

ガムを咬むことによるリラックス効果も期待できます。

 

ただし、これはあくまで災害時の話なので、普段に関してはガムで代用せず、しっかり歯を磨くようにしましょう。

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