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(続)できるだけ正確に伝えてほしいと思います

- 2010年12月号 -

先月同様、テレビの情報についてです。

ある番組でヒールオゾンに関しても紹介していました。

 

ヒールオゾンに関しては、現在の段階で、厚生省が認可しておりませんので、使用されている先生は、直輸入されたのだと思います。

ヒールオゾンに関して、以下のようなメリット・デメリットがあるようです。

参考までに、引用させていただきました。

 

ヒールオゾン(オゾン治療)のメリット

·       歯を削る量が少なくてすむ。

·       歯の神経(歯髄)を残せる可能性が増える。

·       副作用は現時点で報告されていない。

·       歯を削る量が少ないので、痛みが出る可能性が低くなる。

·       薬剤を使用せず、完全な真空状態にならないとオゾンが発生しない構造になっているので安全性が高い。

·       根管治療時の根管内の殺菌や、虫歯予防にも使用することが出来る。

·       操作が簡便で、治療時間が短縮できる。

 

ヒールオゾン(オゾン治療)のデメリット

·       まだ新しい方法のため、行っている歯科医院が少ない。

·       まだ新しい方法のため、実績が不十分。

·       適応には限界がある。(進行した虫歯の場合には、従来どおり歯髄を取る必要がある)

·       保険が利かない。

歯チャンネルより引用

 

残念ながらヒールオゾンに関しては私自身が勉強不足のため、どれぐらい有効なものかはわかりませんが、オゾンの殺菌力を利用するものなので、とてもよいものに思います。

 

しかし、問題は紹介の仕方です。

ヒールオゾンの効果を、症例を用いて紹介していたのですが、たしかにオゾンの殺菌作用・虫歯再発のしにくさに関しては良いものに感じましたが、

「これなら一回の診療で治療が終わります」

「健全な部分を削らなくて済みます」

「15分程度で済みました」などのコメントがありました。

 

残念ながら、あの虫歯の形態であればオゾンを用いなくても1回であの歯の治療は終わるでしょうし、健全な部分は削らなくても同様になおせますし、時間も15分程度で済むはずです。

また、保健適応外で料金が高いことに触れると、「歯を作るのに結構、回数、料金がかかりますからね」と司会者の方がコメントしていましたが、歯を作る(かぶせること)だと思いますが、それはヒールオゾンとは全く関係ないはずですし、歯をかぶせる治療が必要なぐらい進行した虫歯を1回で治せるかというと全く違う話になります。

 

ヒールオゾンの利点は、虫歯菌に感染した歯質を完全に除去しなくてもオゾンによる殺菌力で無菌化することが可能で、その部分を除去しなくてよいというのが最大のメリットであって、歯を作ったりするのは技工士さんですから、それは全く話が変わってしまいます。

そこを勘違いしてとらえると、せっかく良い機械だとしても、患者さんの期待と違うわけですから、下手をすると騙されたと患者さんは感じてしまうかもしれません。

 

また、別の番組で、診療機関から出される薬の説明書は料金がかかるから、毎回出してもらうとそれだけで余分に30~50円かかる。できるだけ、断わった方がよいといったような発言を耳にしました。

 

医科や薬局に関してはわかりませんが、歯科に関して言えば薬を出した時の説明書は、月1回のみ算定可能で、その後は違う種類の薬であっても、同月に何回出しても、説明書は無料になるはずです。

ただ薬を出す以上、料金は取れなくても説明書があった時、お互いに安心だろうということで、当院では基本的に毎回お出ししています。

医院からすると、確かに「薬の説明書はいらないです」と断ってもらった方が、手間等が省けますのでありがたいはありがたいのですが、そういった問題なのでしょうか。

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