健全な歯１本はいくらに相当するのでしょう？私もずっと疑問に思っていました。

以前から歯の価値を、インプラントで価値を換算することはありましたが、健全な歯とは異なります。

ところが、最近、健全歯そのものの社会的な価値を知ることができました。

某市立病院が、平成十三年六月に高校の女子生徒（17歳、当時）に対し誤って違う歯を抜歯してしまった事に対する損害賠償に合意したというものもありました。その損害賠償額は約118 万円だそうです。

これから考えると、親知らずを別にして上下で永久歯は２８本ありますから、3,300万円分の価値の健全歯をはじめは皆さんが口の中に持っていたと言えます。それらが、虫歯になり、治療を受け治療費を払い、価値をどんどん下げていき、やがて抜歯をし、価値がなくなります。

現在、以前とは異なり、入れ歯ではなくインプラントという治療方法があります。入れ歯では難しかった症例、違和感等など、多くの問題がインプラントによりかなり改善されつつあることは事実です。当院でも、インプラントを行っていますし、入れ歯に比べ患者さんの満足度はかなり高いものだということは実感しています。

しかし、もともとの健全歯に比べてインプラントのが優れていると考える歯科医師はいないはずです。それほどまでに、ご自分の歯は良くできているのです。

親からもらった大切なご自分の歯、できるだけ長持ちさせられるようにお互いに頑張りましょう。