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新聞への掲載⑦

- 2025年7月号 -

先日(5/15)、神奈川新聞の朝刊へ文章を掲載させて頂きました。

 

今回は口臭に関する質問にさせていただきました。せっかくですのでトピックに掲載記事および原稿文章を掲載させて頂きます。

 

(掲載記事)

202507

(原稿)

Q::朝起きた時や運動した後に口臭を感じます。かかりつけの歯医者さんで相談しましたが虫歯もないし問題ないと言われました。どういうことでしょうか。

 

A:口臭とは、人が会話や呼吸をした時に出される息を他人が不快なものとして感じた臭いや、さらには他人には感知されないが自分自身が感じてしまう臭いをいいます。

 

口臭には種類があり、一般的に以下のように分けられます。

1生理的口臭・・・健康な人にも唾液の減少などで生じる口臭

2食べ物由来の口臭・・・食べ物や飲み物に由来する口臭

3真性口臭・・・口腔内や全身由来の疾患に原因がある口臭

4自臭・・・精神的要因によるもので実態のない口臭もしくは自分だけが感じてしまう口臭

 

今回は朝起きた時や運動した時に口臭を感じると仰っています。
人間だれしも寝ている時は唾液の分泌量は著しく低下します。それによって生じる口臭(起床時口臭)であり、生理的なものなので誰もが多かれ少なかれ生じる口臭と言えます。また、運動した後も唾液の分泌量が減少することによって生じており同様と言えます。
このように健康な方でも、条件によって生じてしまうものが生理的口臭であり、歯科的な治療により改善されるかというとそれは別の話になります。おそらくかかりつけの先生が問題ないとお話しされたのは生理的口臭と診断されたからだと思います。
そして一般の歯科医院で改善が期待されるのは、3の真性口臭の中の口腔由来の口臭で、虫歯や歯周病など口腔内に原疾患があるものです。少ないように感じるかもしれませんが専門の口臭外来でも受診患者の約50~80%が口腔由来の病的口臭という報告もあり、口臭の半数以上が虫歯や歯周病の治療など歯科的な対応で改善可能と考えます。
 
ご質問いただいた方のように生理的口臭を気にされて来院される方も数多くいらっしゃいます。今回のかかりつけの先生のように「さまざまな状況における唾液の分泌量の低下が原因で誰にでも生じうるものです。気にしないで大丈夫です」と説明するのも良いですが、せっかくなので一つアドバイスを。
「喉が渇いたから水を飲む」 のではなく、生理的な欲求以外である程度時間を決めて、コップ一杯の水を飲んではどうでしょうか。例えば、朝10時と夕方4時に飲むと決めるなど。
唾液も水分です。当然ながら体内の水分量が不足してくれば、唾液の分泌量も相対的に減ってしまいます。唾液の分泌は、自律神経に支配されていますが、水分を取ることによって唾液が出やすい環境になります。そして、唾液の分泌が十分あれば、この生理的な口臭というのはかなり減らすことができると思いますので、一度お試しください。

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