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知覚過敏

- 2023年6月号 -

「歯がしみるから虫歯だと思う」と来院される患者さんが結構いらっしゃいます。
もちろん虫歯の場合も多くありますが、実は知覚過敏が原因の場合も少なくありません。

 

テレビのCMなどでも知覚過敏という言葉を聞きますので、なじみのある言葉かもしれません。

 

しかし、この知覚過敏、結構厄介な場合もあります。

 

例えば虫歯とは簡単に言うと虫歯菌の影響で歯が溶かされて歯に穴が開いた状態といえます。
また歯周病とは、歯周病菌の影響で歯肉に炎症を起こしたり、歯の周囲の骨を溶かした状態と言えます。
つまり、口の中を見たりレントゲンでその状態がある程度把握できます。

 

一方で、知覚過敏とはどういう状態でしょうか?

 

試しにネットで検索すると、言葉は違えど以下のように出てくると思います。
「歯ブラシの毛先が当たると痛む、冷たいものがしみるなど一過性の痛みで、虫歯や神経の炎症など病変がない場合に見られる症状」
言い換えれば、虫歯や神経の炎症がなく浸みる場合は、すべて知覚過敏とひとくくりにされているとも言えます。

 

そのため、その原因は多岐にわたります。

 

一般的には象牙質と呼ばれる部分が露出している場合に起こりやすいとされています。

 

少し専門的な話をすると、象牙質の表面に小さな穴が開いており、象牙細管と呼ばれる細い管が歯の中心部の神経に向かって伸びています。表面に何らかの刺激が加わると象牙細管内の組織液が動かされ、痛みを感じると考えられています。

 

よって、かみ合わせで歯の表面が削れていたり、歯茎が退縮し象牙質が露出している部位がある場合はそれらが原因と疑い、それに対して治療を行うことで改善される場合が多くあります。

 

しかし、中にはそういった所見がなく、レントゲンにも怪しい部分が全くないこともあります。

 

また、体調やストレスなど、その他の要因によって浸みたり浸みなかったり、痛みの強さも異なったりすることもあります。

 

原因がはっきりしない以上、歯を削って詰めたりなどの治療はまず避け、浸み止めを数回塗る、知覚過敏用の歯磨剤の利用、場合によってはマウスピースの使用を勧めるなど口腔内の状況と症状の強さや変化を見ながら対応とならざるを得ません。

 

そのためどうしても回数や期間がかかってしまうことをご了承ください。

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