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地域の平均所得と無歯顎のリスク

- 2017年3月号 -

個人の平均所得が子供の学歴などに影響することはテレビなどでも取り上げられていましたが、個人ではなくその地域の平均所得が無歯顎になるリスクと関連する事がわかったそうです。

 

日本老年学的評価研究プロジェクトの調査によると、性別・年齢・婚姻状態・教育歴・歯科医院の密度を考慮した上で、個人および地域の所得が高くなるほど無歯顎になるリスクが減少することが判明しました

 

具体的には、個人所得および地域平均所得が100万円高くなると、無歯顎になるリスクが個人所得で1割、地域所得で6割減少したそうです。

 

個人所得が口腔内の状態に影響することは、おそらく多くの歯科医師が自然と感じ取っているところであり、正直に言えば、それほど驚く内容ではありません。

しかし一方で個人所得が同じでも、地域所得が高い地域に暮らす人は低い地域に比べ無歯顎のリスクが低くなるという地域全体にまで影響が及んでいるとは思っていませんでした。

 

そういえば何年か前にTOPICSで記載したように、都心部で開業した知り合いの医院を見学に行った時に、患者さんの口腔内のきれいさや治療の内容(自費治療の多さや義歯の少なさ)に驚いたことを書いていますが、こういう事だったのかと妙に納得してしまいました。

 

しかし、これは別に豪華なものを食べると歯に良いと言っているわけではありません。

生活習慣の改善や日々のブラッシングの改善はそれほどお金がかからないはずです。

この根本的な部分の改善により、都心部とのこの差が縮まっていければと思います。

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